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髙村薫「冷血」(上)

冷血(上)冷血(上)
(2012/11/29)
高村 薫

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 この題名から思い出すように、カポーティの「冷血」にヒントを得ていると思われる。カポーティは、あの映画「冷血」でも描いていたように、いわば動機無き殺人事件を徹底解明すべく犯人に肉薄して、この小説を書いた。
 髙村さんは、二人の殺人犯、井上克美と戸田吉生の出合い(出合いというには、たった一度のメールでの掲示板でのやりとり)から始まって凶行に至るまでをこの上巻で淡々と表現していく。このまさに現代の不条理な行動を、小説としてどう描くかということへの挑戦をしているように思えた。
 戸田吉生:ムショを出て直後の男。人生の三分の一がムショ暮らしで、今は朝刊配達のバイトで食っている。三重県の四日市出身。歯槽膿漏の激しい痛みに再三悩ませられている描写がある。 井上克美:ムショ歴3年。ヤクザと族に絡まれ、愛車を壊される。土建屋のせがれで、ヤク中の姉がいる。
 一方で、高梨家: 山の手に住まいがあり、大病院の口腔内科医の父、父の代からの開業歯科医院を切り盛りし、自分の研究にも情熱を持つ母、そして筑波の付属に通う中学生の娘と小学生の弟の家庭がある。
 戸田と井上が出合って、そのまま一連の行動に出る。静かな住宅街のATM荒らし(物音に気づかれ失敗)、コンビニ強盗を連チャンで繰り返す。いわば衝動的な面がある。そして土地勘のある井上とともに、高台の高梨家に焦点をあてて押し入ることにする。強い動機と計画性、残虐な衝動は一見したところ無いようにさえ思えるのだ。
 しかし、留守宅だと思って押し入ったところに起きてきた妻から銀行のパスワードを聞き出して殺害、夫も惨殺。さらにこどもたちも冷酷に殺害してしまう。
 この一連の行動に意味があるのか?下巻では、犯人二人の生い立ちや内面を中心として描いていく。
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サマンサどら猫

Author:サマンサどら猫
 FC2ブログへようこそ!ミステリ大好き人間ですw-。そして、冬以外はアウトドア系(山登り、ハイキング、ウオーキング、サイクリング、釣り)、日帰り温泉、旅行などの趣味を楽しんでいます。茶トラを飼っていて、名前がサマンサです。卓球やバドミントンも好きで、最近は弓道も始めました。

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