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「デッド・オア・アライヴ」江戸川乱歩賞作家アンソロジー

 江戸川乱歩賞作家ったちの作品を集めたものである。
 それぞれに作風や工夫があり、やはり読んで面白いのだ。
薬丸岳『不惑』: これはサスペンス・タッチで、過去のある出来事と現在の同窓会と結婚披露宴をつなぐ動きがスピーディに描写されている。
 高校の同窓会の会場(ホテル)では不惑を迎えた人物たちが集っている。その隣では披露宴が華やかに催されている。
 元Jリーガーの窪田にとってはある不幸な過去の事件が陰を落としている。そのことで彼はある人物に殺意を抱いているのだ。その少年Aとは?さらに、同窓の友人たちがとった行動とは?
 特に刑事である夏目と窪田との会話の中に、人生の哀しみと苦しみがあって心を打つのだ。
竹吉優輔『イーストウッドに助けはこない』: 俺(甥っこ)と叔父の力弥の関係が軸になって話は進行する。子どもの頃の叔父と甥がイーストウッドの西部劇に馴染んでいた回想が下糸となっており、現在の力弥の拘束とヤクザの絡みが上糸を紡いでいる。
 表面は、どろどろしたヤクザの抗争を描きつつ、独自のユーモアと明るさが基調となっており、ラストでの爽快感につながっている。
横関大『クイズ&ドリーム』: 心中にある思惑を持った主人公が、謎の男にホテル内で拘束された。理由もわからない状況の中で、クイズ形式のやりとりで生死をかけた賭をするという設定だ。SFのテイストを練り込んだサスペンス・タッチのミステリだ。
遠藤武文『平和への祈り』: 懐かしい。昔流行ったケサランパサランを小道具として登場させながら、乱歩賞を過去に受賞した主人公の推理作家がホテルの贈賞式に出席をするという設定自体にユーモラスな味わいがある。
 そこに聖書のヨハネの黙示録の第7の封印の話をからませて奥行きを広げ、それと街角で彼が遭遇するある事件、さらにはある脱獄事件まで登場させ、力業でを無理矢理?くっつけながら?(この発想、ホラ話の類いは嫌いじゃない)展開していく。
鏑木連『終章~タイムオーバー~』: 題名にふさわしい緊迫感のある一編だ。最後まではらはらどきどきさせる展開は見事である。
 新興ベンチャー企業の社長日下凜子、婿養子の副社長琢郎、専務の山戸、社長秘書青柳摩耶。この4人のそれぞれの動きと言動が巧みに織り込まれ、凛子と琢郎に毒を盛った犯人捜しとサスペンスフルなストーリー展開に読み応えがある。
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サマンサどら猫

Author:サマンサどら猫
 FC2ブログへようこそ!ミステリ大好き人間ですw-。そして、冬以外はアウトドア系(山登り、ハイキング、ウオーキング、サイクリング、釣り)、日帰り温泉、旅行などの趣味を楽しんでいます。茶トラを飼っていて、名前がサマンサです。卓球やバドミントンも好きで、最近は弓道も始めました。

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