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「不可能犯罪コレクション」二階堂黎人編

 新鋭作家6人による6作品が収められている。
大山誠一郎『佳也子の屋根に雪ふりつむ』: 幾つかの仕掛けのある、そして意外性のある一編。
 婚約者から引きはがされ世をはかなんだ笹野佳也子が自殺未遂から物語は始まる。三好達治の「太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪ふりつむ」の詩ががよく効いている。
 親友秋穂と、佳也子が入院した病院の女医典子。そして目覚めると佳也子は典子の死体を発見。加害者との疑いをかけられる。
 雪の上の足跡も一人分しかない、つまり密室殺人だ。
 そして、密室蒐集家という謎の人物が登場し、この不可能犯罪を明快に解き明かしていく。
岸田るり子『父親はだれ?』: サスペンス色の強い作品。
 実験用マウスを使って研究にいそしむ七菜子。彼女が高校の同級生龍子の自殺事件をめぐり、元教員の夫や当時のクラスメイトを訪ね歩いて事件の真相にたどりつくが、最後のオチも効いている。
鏑木 蓮『花はこころ』: 能と能舞台が主たる異色の作品。
 能の仕組み、内容がきめ細かく描かれている。地謡の紙屋鞠子の目をとおして、能舞台での演者玄治の死をめぐる謎解きである。能の奥深さがせまってくるミステリの傑作である。
門前典之『天空からの死者』: 建築&探偵事務所の蜘蛛手と僕(宮村達也)、宮村の視点で事件の発生と謎解きで話は進む。
 蜘蛛手の設計したビルに隣接する水谷テントという小会社に二人が行くことになり、ビルからの飛び降り死にかかわることとなる。鍵のかかった屋上からの落下という一種の密室での犯罪だ。
石持浅海『ドロッピング・ゲーム』: 石持さんは作品も多く(私も何冊か持っている)、新鋭とはもはや言えないが。
 近未来の日本にアメリカからやって来て10年になる小学校の英語教師ヒル。
 この時代の日本では、12歳でふるいにかけられて子どもたちの未来と仕事が決定--つまり、競争と選別が徹底しているシステムが構築されている。
 それまで仲良しカルテットであった4人の間に進路決定という過酷な現実が挟まり、遂にヒルの目の前で翔一の飛び降り自殺が遂行されるのであった。治安警察の番匠大尉が調査するが、自殺の原因をヒル先生が解明する。しかし、その後の事実も書かれており、ブラックユーモアのテイストもあるのだ。さすがというべきだろう。
加賀美雅之『「首吊り判事」邸の奇妙な犯罪』: 探偵シャルル・ベルトランが見事な推理を披露する一編であり、古色蒼然たるイギリス風密室ミステリのテイストだ。 アプリコット・ブランデーをすすりながらのシャルルの話し相手がパトリック・スミス。この二人が、シャーウッドの森近くの、おどろおどろしい雰囲気を漂わせる「首吊り判事邸」に赴く。
 判事の後妻の美しいキャサリンが密室状態で他者の侵入の痕跡の無い礼拝堂で刺殺体となる。さらに気落ちした判事が、同じ密室の礼拝堂でベッドに横たわったまま刺殺体で発見される。シャルルは、壮大な仕掛けで殺人が行われたことを明快に解明する。イギリスの古典派ミステリの味わいもある。
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遅ればせながら・・・

ご挨拶が遅れてしまいました!!もうとっくに、明けましたがおめでとうございます!
去年は目標の半分も本が読めず、今年こそは半分(50冊)は読みたいところです。
サマンサどら猫さんも、早速ミステリですね!
わたしも、久々に「このミス」読みましたが、最近軽めのものしか読んでないので推理力も読書力も落ちたかなーーと焦っています(汗)
今年もよろしくお願いします。

No title

aikoさんへ 〉 こちらこそよろしくお願いいたします。いつも目標をもって読んでおられるのですね。すごいですねえ。真似は出来ません。
 私は行き当たりばったりで、買ったり、ブックオフでまとめ買いしたり、図書館で「あー、この新作面白そう」などと手元に置きます。でも2冊並行で読んだりして遅々として進まず?の状態もよくあります、笑い。
プロフィール

サマンサどら猫

Author:サマンサどら猫
 FC2ブログへようこそ!ミステリ大好き人間ですw-。そして、冬以外はアウトドア系(山登り、ハイキング、ウオーキング、サイクリング、釣り)、日帰り温泉、旅行などの趣味を楽しんでいます。茶トラを飼っていて、名前がサマンサです。卓球やバドミントンも好きで、最近は弓道も始めました。

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