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ミカ・カウリスマキ「旅人は夢を奏でる」はまるで叙事詩のようではないか、の巻

 「人生」の実感がある映画だ。ミカ・カウリスマキ監督の映画は初めてだが(アキ・カウリスマキ監督の映画は何本か観ている)、ロード・ムーヴィーといえばそれまでだが、後半まで観てきて何だか北欧の叙事詩のような感じがしてきたから不思議だ。
 父と子の関係、すなわち、切れそうで切れない繋がりを改めて教えてくれる作品でもある。
 ○ ストーリー: 冒頭で、「世界一の射手を目ざして、彼は家庭を捨て旅に出て・・・」との説明が入り、最後に父親のレオが「世界一の射手を目ざした男に師匠が・・・・」と語るくだりが対になっている。
 レオ(ヴェサ・マッティ・ロイリ)が空港から旅立ち、3歳の時に別れたきりの息子ティモ(サムリ・エデルマン)のコンサート会場に現れる。つまり久方ぶりの父と子の対面だ。しかし、父は自堕落な雰囲気を醸しだし、息子は迷惑そうなそぶり、しかも、「ウルフランドに一緒に行って欲しい、車で。運転はお前だ」と一方的だ。
 父が眠っている間に、息子はマンションの1室を売りに出してしまうのだ。不動産屋から息子が妻と子(娘)に逃げ出されていることが判明。→強引に父は息子をドライブに連れ出すのだ。
 レオは、何とコンビニ強盗をちょいとやらかし、路上の車をちょい借りし、出発するのだ。なかなかのワルオヤジなのだ。それが明るくてユーモラスでもある。主演のヴェサは、フィンランドでは有名俳優でミュージシャンであるようだが、はまり役だと思う。
 ここからロード・ムーヴィーが始まるといえるだろう。
 さて行き先は?最初はウルフランドへ。ティモの腹違いの姉のミンナに会いに行くのだ。途中で車を止めて、手土産とばかりにマス釣りをするレオ。その間にノラが車に潜り込んでくる。ミンナとはレオはフェイスブックでその存在を知ったとか、彼女は人付き合いが苦手だとか、夫が人材派遣業を営んでいるが、ウィスキーとマリファナでとち狂い始め、ティモに殴られたり、レオがさすらいのバンドマンであることが明らかとなったり。「人生は40歳ぐらいからスタートする」との人生哲学をレオがのたまったりする。
 そして、別れた妻とレオは連絡をとるが、どうやら訳ありらしいのだ。ラスト近くで事実が明らかとなる。
 次に介護施設にいる祖母に会いに行く。アルツハイマーが出ているがしばらく3人のドライブとなる。別れの時に、ノラを祖母に託す。ほのぼの感が余韻を残す。
 次に2人は規則の厳しいフィンランディア・ホテルに宿泊。夜を楽しく過ごすために、バーに行き、2人ずれの女性に接近し、女性たちの気を引くために、父子は歌と演奏を披露する。それが実にしみじみと様になっているのだ。サムリ・エデルマンもフィンランドでは有名なミュージシャンだから巧いのは当たり前。「枯葉」を歌い始めると、他のバンドのメンバーが加わって、ノリノリとなる。そして女性たちとダンスを始めてしまうのだ。すっかりいいムードで、それぞれの部屋にしけ込むのだった。しかしながら・・・・・のオチ。
 次は、別居しているティモの妻と娘に会いに行く。彼女の住まいには新しい男?がいて、そして・・・・・。レオが引き立て役となりティモの夫婦関係もよい雰囲気となっていく。
 そして、いよいよレオの妻に会いに行くことに。実は、「過去の罪」の重荷を下ろしに行くためだった。そして、さらに波乱が・・・・・。
 父が冒頭の話の続きを語る場面=「射手は名人の技に出合い、そして再び家に帰って・・・」はハートウオーミングで、泣かせる。見せどころだ。 
 全体として、フィンランドのヘルシンキ、そして地方都市の雰囲気とゆったりした時間の流れも伝わり、佳作だといえる。
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サマンサどら猫

Author:サマンサどら猫
 FC2ブログへようこそ!ミステリ大好き人間ですw-。そして、冬以外はアウトドア系(山登り、ハイキング、ウオーキング、サイクリング、釣り)、日帰り温泉、旅行などの趣味を楽しんでいます。茶トラを飼っていて、名前がサマンサです。卓球やバドミントンも好きで、最近は弓道も始めました。

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