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伊坂幸太郎「ガソリン生活」の伊坂ワールドのテイストの巻

 これも伊坂ワールドがあふれた小説ですw-。
 車がある意味主人公。というのも、この車が「僕は・・・」という一人称で語り、望月家の人々-とりわけ良夫(大学生)と(小学生)の兄弟の会話とで進行していく形(車=緑のデミオは聞き役で観察者?観察車か)をとっている。
 軽妙洒脱な?会話により細部が明らかになっていく。主人公の車は、緑色のデミオだし、望月家は父親がすでに亡くなっていて、母親の郁子が家計を支えている。良夫と亨のほかに、まどかという高校生がいて、彼女には江口君というボーイフレンドがいるというわけだ。これが望月家の家族構成だ。
 兄弟二人がドライブ中、突如荒木翠という地元の有名人の女性が乗り込んできて(実は兄弟の会話の中に彼女のうわさ話が語られてあった)、3人のユーモラスな会話が続いていく。たとえば、機動戦士ガンダムとか、ガンダムと戦うジオン軍を率いるザビ家の話とかが話されるといった具合に。
 これは伊坂さんの「陽気なギャング」シリーズの中の会話を思い起こさせる。とりとめも無く話されているようで、ストーリー展開に関係する大切な要素でもあるのだ。
 この後、僕の車から降りた翠がトンネル事故に遭遇し、死亡する。ダイアナの悲惨な事故に似た事故だ。この事件をめぐり、二転三転の結果、ラストへつながっていく。  *実はダイアナの事故へのこだわりがこの後でも詳細に語られる。不思議なことに、それは僕が青のミニ・クーパーから聞き取るという体裁をとっているのが可笑しい。
 僕(緑のデミオ)と会話するのが「ザッパ」(白のカローラGT、小学校の校長の車で、彼はフランク・ザッパの熱烈なファン、口癖が「ザッパを聴くように」で、ナンバーも38=ザッパ)、黒のアテンザなどの車たち。それはそれで独自の世界を構成しておりユーモラスなのだ。
 「我が輩は猫である」ばりのユーモアと、謎解きの興味も盛り込んであるところがたまらない。
 そして、伊坂さんの独自性: 教訓めいた話も挿入されている。
 例えば、
 ・ 翠を追っていた芸能ジャーナリストとの兄弟の車中での会話。それを逐一聴いている僕。小学生の亨の大人びた知恵としたたかさ。
 ・ 「人間も車も、一時の名誉、自己顕示欲のために軽率なことをすると、あとで大いなる負担を強いられることになる」と、ザッパが言っていたような気もする。自慢話は危険を伴う、と」
 「僕たち自家用車は、自分の持ち主に対し、必然的に親近感を覚え、どちらかといえば持ち主の考え方や思想に感化される傾向がある。ようするに、持ち主とは考え方が似るのだ。」・・・・・・こんな教訓めいた感想を車がつぶやくのだ。
 或いは、
 「細身氏が言うには、まずは、『尊敬』だ。子供は、風上に対して、まずは一目置くわけだ。『尊敬』と『信頼』を抱く」・・・・「それ
から、少しずつ変わっていく。順番に言えば、『尊敬』→『反発』→『軽蔑』→『侮り』→『諦め』→『許容』→『同化』となるわけだ」・・・・これがデミオとザッパの会話だ。警句を含んで興味深い。
 ・また、独自の蘊蓄がしばしば出てくる。
 例えば、
 メルセデスは、ダイムラーの代理店を営んでいたイエリネックが、自分の娘メルセデスの名前を付けて、開発したものだ、とか。
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サマンサどら猫

Author:サマンサどら猫
 FC2ブログへようこそ!ミステリ大好き人間ですw-。そして、冬以外はアウトドア系(山登り、ハイキング、ウオーキング、サイクリング、釣り)、日帰り温泉、旅行などの趣味を楽しんでいます。茶トラを飼っていて、名前がサマンサです。卓球やバドミントンも好きで、最近は弓道も始めました。

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