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門井慶喜「注文の多い美術館」はユーモア・ミステリだの巻

 門井さんのシリーズ最新作。「天才たちの値段」「天才までの距離」に続くものである。
 扉の裏に、主な登場人物として、神永美有、佐々木昭友、イヴォンヌと書かれているコンビがそれぞれの持ち味を発揮して、楽しませてくれるのだ。そうユーモアたっぷり、そして謎解きのスリリングな展開も忘れていない。ますます円熟の筆が冴えわたる。副題にあるように、「舌」で真贋をたちどころに判断する神永美有が探偵の役どころだ。
 ここには6編が収められている。
『流星刀、五稜郭にあり』、『銀印も出土した』、『モザイクで、やーらしい』、『汽車とアスパラガス』、『B級偉人』、『春のもみじ秋のさくらー神永美有、舌にめざめる』である。
流星刀、五稜郭にあり』: Z大の准教授佐々木の一人称で展開。彼はヨーロッパの美術品に詳しい。教え子の里中琴乃の家に伝わる家宝である流星刀についての真贋依頼だ。そして彼は琴乃に片想いしている。奇抜な格好のイヴォンヌの濃いキャラが立つのが見せ所でもある。
 あの五稜郭の戦いでの幕府軍のリーダーの榎本武揚から先祖が賜ったといういわくがある刀だ。隕石の分析から始まり、セントヘレナまでが登場してくる。行きつ戻りつ、ラストで明快な推理で解決が待っている。
銀印も出土した』: これも佐々木の一人称で展開する。何と京都のZ大学の校舎新築工事の現場から「銀印」が発見されたのだ。佐々木は、やり手の学長から銀印の信憑性を証明せよと命じられる。そこに邪馬台国論争を絡ませ、ユニークな論点で読者を引っ張ってゆく。意外な人物も登場して興味が盛り上がっていく。その展開が見事だ。
モザイクで、やーらしい』: これはイヴォンヌの一人称で進められる。見た目派手で、どんどん押しまくる彼女の独壇場といってもいい。例の琴乃が鑑定したモザイク画の鑑定を命ぜられた佐々木が苦悩するが、佐々木を慕うイヴォンヌの双子の姉妹かえでも活躍し、モザイク画の正体が突き止められて行く過程がとても考えれていて、なるほどと納得させられる。
汽車とアスパラガス』: まさに蒸気機関車が主人公だ。これの真贋をめぐり、佐々木の目線で話は進む。ここでもイヴォンヌが大活躍する。ペリーやよく知られた歴史上の人物が登場してくる。
B級偉人』: 琴乃の結婚式の案内状が届き、佐々木の心は乱れるという設定。佐々木は結婚式に参列し、仙台に行く。例のイヴォンヌも招待されていた。そして、新郎の家に代々伝わる遣欧使節の絵の真贋をめぐり一悶着が起こるというものだ。
春のもみじ秋のさくらー神永美有、舌にめざめる』: これは若き日の神永と佐々木の出会いを描く短編。
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サマンサどら猫

Author:サマンサどら猫
 FC2ブログへようこそ!ミステリ大好き人間ですw-。そして、冬以外はアウトドア系(山登り、ハイキング、ウオーキング、サイクリング、釣り)、日帰り温泉、旅行などの趣味を楽しんでいます。茶トラを飼っていて、名前がサマンサです。卓球やバドミントンも好きで、最近は弓道も始めました。

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