ふと図書館で手に取り、面白そうだなと思って読んでみた。特集のタイトルに惹かれた感じとでも言えばいいかなあ?
内容は、まず『対談』で、高杉良と佐高信が「経済小説の可能性」について話している。経済小説というぐらいだから、元来ビジネスマンが読んでいたイメージが強い。ところが、テレビドラマの半沢直樹が大ヒットして以来、フィールドが拡大して「お仕事小説」というふうに変化?してきているということがおぼろげながら理解できた。幸田真音、池井戸潤への系譜が語られている。
そしてもっとわかりやすいのは、
大矢博子の「『経済小説』『お仕事小説』の軌跡」だ。これによれば、企業小説、経済小説と呼ばれるジャンルがあり、職業ものは、大正期のプロレタリア文学にまで行きつくとしている。
城山三郎、梶山季之、そして山崎豊子「華麗なる一族。ありましたよねえ。それから高杉良、堺屋太一・・・・。平成に入って、幸田真音、石田衣良、荻原浩「神様からひと言」とくれば分かり易い。奥田英朗とくれば尚更。これらは読んでいるからだ。そしてそして垣根涼介「君たちに明日はない」、桂望実「県庁の星」、山本幸久「凸凹デイズ」。これならわかるわかる、笑い。
さらに21世紀になると、荻原浩「メリーゴーランド」、高殿円「トッカン」、三浦しをん「舟を編む」、佐藤青南「消防女子!!」、奥田英朗「ガール」、そして篠田節子「女たちのジハード」。おー、ここまで入るのかと感心する。新野剛「あぽやん」シリーズにいたってはこの分析分かり易いなーと思った。
特別読み切りの
安藤祐介「無敵社員」は、ブラック企業をテーマにした笑えない話だ。
読み切り小説の
窪美澄「砂のないテラリウム」ある夫婦の危機を扱って読み応えがある。
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