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愛川 晶「十一月に死んだ悪魔」

十一月に死んだ悪魔十一月に死んだ悪魔
(2013/09/25)
愛川 晶

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 愛川さんの新境地を開くミステリ。このFC2の以前のブログでも愛川さんのミステリはな何冊か紹介してきたが、従来は美少女代理探偵シリーズや、そして何といっても落語ミステリの傑作の神田紅梅亭シリーズがある。これは綿密で、しかもユーモアたっぷりのミステリであった。
 今回は、高橋克彦さんの「ドール」をおもいおこさせる面と、ホラー色をまとったミステリといえるだろう。そうして改めて本のカバーを見ると、この無表情な女性の写真は意味深なものがあると思えてくる。
 作中作で話の奥行きを持たせるのはミステリの常道?でもあるが、『空間』『骨董』『吾妻型人形』などの各文章が、おどろおどろしいホラー的要素をふりまいている。
 そして、心理学上の言葉である「解離性障害」とか「イマジナリーコンパニオン」「解離性フーグ」「鏡文字」とか難解な概念もちりばめられている。もっとも「鏡文字」ぐらいは理解できるけれど。
 幾つかの重要な挿入はあるが、話は主人公の柏原育弥(かしわばらいくや)、ペンネームが碧井聖(あおいさとし)の言動を中心として進んでいく。彼はすでに30数冊の本を書き、微妙な立ち位置にあるホラー系の小説作家で、家庭は半ば破綻状態。その彼の周辺に、中学時代のある少年の面影をもつ不可思議な若い女性が現れ、彼の負の側面が次々と明らかになっていくという展開だ。
 負の側面とは、ネタばれになるから詳しくは書かないが、彼の書く小説の内容と、彼の少年期からの「ある過去」、江戸時代の吾妻人形、そして編集部の担当者による心理的分析と作中作の関係が、中盤までは別個に存在しているように見せかけて、最後に繋がってくるという構成だ。
 ホラー系は苦手だが、最後まで読ませる作品だ。

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サマンサどら猫

Author:サマンサどら猫
 FC2ブログへようこそ!ミステリ大好き人間ですw-。そして、冬以外はアウトドア系(山登り、ハイキング、ウオーキング、サイクリング、釣り)、日帰り温泉、旅行などの趣味を楽しんでいます。茶トラを飼っていて、名前がサマンサです。卓球やバドミントンも好きで、最近は弓道も始めました。

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